ポイントで仕入れた商品は、仕入0円で売上6,300円になる
物販をやっていると、ポイントが貯まります。仕入れに使えば現金が減らない。ではそれを帳簿にいくらで書くのか。
結論から書きます。自社ポイントを使ったぶんは値引きです。 全額ポイントで買ったなら、仕入は0円になります。
実際にあった1件がこれでした。Switch用のソフト1本、全額ポイントで取得。売却6,300円。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 仕入高 | 0円 |
| 売上高 | 6,300円 |
| 粗利 | 6,300円 |
売上はそのまま粗利になります。気持ちがいい数字ですが、代わりに消費税で1つ損をしています。
自社ポイントと共通ポイントは扱いが違う
ここが分かれ道です。
| 種類 | 例 | 使ったときの扱い |
|---|---|---|
| 自社ポイント | そのサイト・その店でしか使えないもの | 値引き |
| 共通ポイント | 複数の企業で使える汎用のもの | 対価の支払い(値引きではない) |
自社ポイントは、そのサイトが自分の商品を安くしているだけなので、値引きとして扱います。共通ポイントは第三者が運営する決済手段に近いので、扱いが変わります。
同じ「ポイントで買った」でも、どちらかで帳簿が変わる。まず使ったポイントがどちらかを確認する、が最初の一歩です。
値引き扱いだと何が起きるか
自社ポイントを値引きとして扱うと、こうなります。
- 仕入計上額は、ポイント充当後に実際に払った金額。1万円の商品を3,000ポイント+7,000円で買ったら、仕入は7,000円
- 消費税も同じ。課税仕入れになるのは値引き後の7,000円ぶんだけ。全額ポイントなら仕入税額控除はゼロ
- ポイントが付いたときには、収益を立てない。値引きの前払いのようなものと考えます
- 売却側は通常どおり課税売上。仕入0円でも売上は立つ
3つ目が意外と大事で、「ポイントが1万円ぶん貯まった」時点では何も起きません。使ったときに、その取引の金額が下がるだけです。
得なのか、損なのか
粗利だけ見れば得です。ただし消費税を含めて見ると、単純ではありません。
- 現金7,000円で仕入れれば、約636円が仕入税額控除の対象になる
- 全額ポイントで仕入れれば、控除の対象はゼロ
- どちらで売っても、売上に係る消費税は同じだけ発生する
つまりポイントで仕入れた商品は、消費税の面では現金仕入より不利です。粗利が大きく見えるぶん、納付する消費税も大きくなる。
「ポイントで買ったから丸儲け」と感じたときは、この差を思い出すようにしています。
実務で決めたこと
ポイントの扱いは後から復元するのが特に難しい部分でした。明細に「ポイント使用」としか残らないことがあるからです。決めたのはこの3つ。
- 注文時点で、支払内訳を台帳に書く。「現金7,000/ポイント3,000」の形で分ける
- ポイントの種類も書く。自社か共通かで処理が変わるので、後から判別できるようにする
- 金額が大きいものは、税理士に投げる用のメモを別に立てる。ギフトカードを恒常的にチャージして仕入れに回すような運用は、勘定科目の判断が要ります
3つ目について補足すると、ギフトカードを買って仕入れに使う場合、買った時点と使った時点で処理が分かれます。誰の資金で買ったか(法人カードか個人カードか)でも変わる。ここは自分で決めきらず、確認事項として持っていくのが結果的に早かったです。
まとめ
- 自社ポイントは値引き。仕入計上額はポイント充当後に実際に払った金額
- 全額ポイントで仕入れたら仕入は0円、仕入税額控除もゼロ。売却額がそのまま粗利になる
- 共通ポイントは扱いが違う。まずどちらのポイントかを確認する
- ポイント付与時には収益を立てない
- 支払内訳とポイントの種類は、注文したその日に台帳へ書く
粗利6,300円の1件でも、この整理をしていないと決算で止まります。金額の小ささと、処理の面倒さは比例しません。