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輸出売上に消費税はかからない — ひとり法人が第1期で還付申告までやった話

・ 約4分で読めます ・ 文責: ひとり経済圏

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国内で商品を仕入れるとき、こちらは消費税10%を払っています。ところが海外の買い手に売るとき、その10%を乗せて請求することはできません。じゃあ仕入で払った10%はどこへ行くのか。

答えは「申告すれば戻ってくる」です。輸出免税という仕組みで、第1期の決算で実際に還付申告まで出しました。物販の輸出をやっているひとり法人なら知らないと損をする話なので、仕組みと手順を置いていきます。

目次
  1. 仕組み: 輸出売上は「0%で課税」される
  2. 還付を受けられる3条件
  3. ひとり法人の判断: あえて課税事業者を選ぶ
  4. 実際にやった手順
  5. 注意点

仕組み: 輸出売上は「0%で課税」される

消費税の計算は、ざっくり言うと「売上で預かった消費税 − 仕入で払った消費税 = 納める消費税」です。

輸出取引は消費税が免税(税率0%)と決められています(国税庁タックスアンサー No.6551)。ここが肝で、「非課税」ではなく「0%で課税」扱いなので、仕入側で払った消費税は控除の対象のまま残ります

国内販売のみ輸出販売のみ
売上で預かる消費税あり(10%)0円(免税)
仕入で払う消費税あり(10%)あり(10%)
差し引き納付マイナス → 還付

数字を入れると分かりやすいです。仮に年間の仕入・経費が110万円(うち消費税10万円)で、売上が全部輸出なら、預かった消費税0円 − 払った消費税10万円 = マイナス10万円が還付される計算になります。仕入れて海外に売るほど、期末に消費税が戻ってくる構造です。

還付を受けられる3条件

ここからが実務の本番で、該当しない事業者には1円も戻りません

  1. 課税事業者であること。 免税事業者は消費税の申告自体をしないので、還付もありません
  2. 原則課税(本則課税)で計算していること。 簡易課税や2割特例は「仕入で実際に払った消費税」を見ずに納税額を決める簡便法なので、還付という結果が出ません
  3. 輸出を証明する書類を保存していること。 輸出許可書、郵便・クーリエの発送記録など。取引の区分ごとに必要な書類が決まっています

とくに2は引っかかりやすいポイントです。小規模事業者ほど「簡易課税や2割特例のほうが楽で得」と案内されがちですが、輸出が主体ならその常識が逆転します

ひとり法人の判断: あえて課税事業者を選ぶ

設立したての法人は、条件を満たせば免税事業者からスタートするのが普通です。消費税を納めなくていいので、国内販売だけなら素直に有利です。

輸出主体だと話が逆になります。免税事業者のままでは仕入で払った10%が戻らず、まるごとコストとして沈む。うちは物販輸出をやると決めていたので、第1期から課税事業者になる選択をしました(インボイス発行事業者の登録をすると、その時点で課税事業者になります)。

届出はタイミングの制約があります。原則は「適用を受けたい課税期間が始まる前日まで」、設立1期目に限っては「その期の末日まで」に出せば1期目から適用できます。期をまたいでから気づくと、その期の分は取り返せません。輸出を始める予定があるなら、設立の初期タスクに入れておくべき届出です。

実際にやった手順

第1期の申告で踏んだ流れです。決算を自力でやった話の消費税パートにあたります。

  1. 日々の記帳で税区分を分ける。 会計ソフトで輸出売上は「輸出免税売上」、国内仕入・経費は「課税仕入10%」の区分にする。ここさえ正しければ、申告書の還付額はソフトがほぼ自動で計算してくれます
  2. 発送の証拠を残す。 クーリエの請求書・追跡記録・輸出許可通知を取引ごとに保存。輸出1件の固定費を実測した記事で書いた書類一式が、そのまま輸出証明の材料になります
  3. 期末に消費税申告書を作って提出。 還付になる申告では「消費税の還付申告に関する明細書」が付きます。どの取引で還付が発生したかを書く書類で、輸出先や金額の内訳を記載します
  4. 還付を待つ。 還付申告は税務署の審査があり、入金まで1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。金額や初回かどうかによっては、税務署から取引内容の照会が来ることがあります。2の証拠がそのときの回答材料です

注意点

輸出免税は、知っているかどうかだけで差がつく制度の代表格です。物販輸出をやるなら、設立時の届出とセットで最初に設計に入れておくのをおすすめします。