2回線目はデータeSIMで持つ — 月440円の「番号なし回線」を固定費としてどう数えるか
※本記事は各社の公表情報にもとづく整理です。当サイトにデータeSIMの契約経験はありません。
スマホの通信費を削る話は、たいてい「メイン回線を安いところへ乗り換える」で終わります。ただ、乗り換えは3つの財布で書いたとおり、端末・回線・出口が絡んで手間が重い。
もう1つ、乗り換えずに削る手があります。メイン回線のプランを小さくして、足りない分をデータ通信専用のeSIMで補う構成です。番号を動かさないので、MNPも端末の買い替えも要りません。
この記事では、その2回線目にいくらかかるのかを、公表料金だけで数えます。
目次
データeSIMは「番号のない回線」
まず、何を買うのかを確認します。
| 音声SIM | データ通信専用eSIM | |
|---|---|---|
| 電話番号・通話 | あり | なし |
| SMS | あり | なし(SMS付きは別種別) |
| 物理カード | 選べる | なし。端末に書き込む |
| 向く用途 | メイン回線 | サブ回線・テザリング・タブレット |
電話番号がないので、これ1本でスマホを運用することはできません。メイン回線は残したまま、通信量だけ足すのが正しい使い方です。
eSIMなので、SIMカードの配送を待たずに使い始められる一方、eSIM対応端末でないと使えません。ここは申込前に自分の端末で確認が要ります。
IIJmioのデータeSIMの料金(2026-09-04時点)
IIJmioのギガプランを例にします。データeSIMはドコモ網とau網で料金が違います。
| 容量 | ドコモ網 | au網 |
|---|---|---|
| 2ギガ | 440円 | 740円 |
| 5ギガ | 650円 | 860円 |
| 10ギガ | 1,050円 | 1,300円 |
| 15ギガ | 1,320円 | 1,530円 |
| 25ギガ | 1,650円 | 1,950円 |
| 35ギガ | 2,240円 | 2,340円 |
| 45ギガ | 2,940円 | 3,240円 |
| 55ギガ | 3,540円 | 3,840円 |
同じ2ギガの音声SIMが850円なので、番号を持たないぶん、2ギガで月410円安い。「補うだけ」の回線なら、この差がそのまま削減額になります。
初期費用は次の2つです。
- eSIM初期費用: 3,300円
- SIMプロファイル発行手数料: 220円(ドコモ網の音声・SMS eSIMは433.4円)
2026年11月4日までの「最大3ヵ月0円」の中身
2026年9月1日〜11月4日の受付分に、eSIMスタート応援キャンペーンが付きます。内容は月額の割引で、数字はこうです。
| 対象プラン | ドコモ網(タイプI) | au網(タイプA) |
|---|---|---|
| 2ギガ | 440円×最大3ヵ月割引 → 0円 | 740円×最大3ヵ月割引 → 0円 |
| 25ギガ | 770円×最大3ヵ月割引 → 880円 | 960円×最大3ヵ月割引 → 990円 |
割引額が月額と同じなので、2ギガは実質0円です。25ギガは0円にはならず、半額ほどになります。
これに加えて、同期間はeSIMの初期費用が半額(3,300円→1,650円)、プロファイル発行手数料が0円(220円→0円)になります。初期費用の合計は3,520円→1,650円です。
適用条件は素直ですが、外れ方を先に知っておくべきです。規約から拾うと次のとおりです。
- データ通信専用eSIMだけが対象。音声eSIMやSMS eSIMは対象外
- 2ギガと25ギガだけが対象。5ギガや10ギガを選ぶと付かない
- 利用開始後にプラン変更すると、変更した月から特典が終わる。2ギガ⇔25ギガの間でも同じ
- 利用開始月は日割りなので、初月の割引は請求額が上限。余りは翌月に繰り越せない
- 初期費用の半額割引は、回線種別ごとに1人(mioID)1回線まで
- JALモバイルとしての申込は対象外
つまり「とりあえず2ギガで申し込んで、足りなければ後で上げる」をやると、上げた月に0円が消えます。最初に容量を決めてから申し込むのが条件です。
1年分で数える
固定費の数え方どおり、月額ではなく期間の総額で見ます。2ギガ・ドコモ網で、キャンペーンあり/なしを12ヵ月で比べます。
| 初期費用 | 月額×月数 | 12ヵ月の総額 | |
|---|---|---|---|
| キャンペーンなし | 3,520円 | 440円×12 | 8,800円 |
| キャンペーンあり | 1,650円 | 0円×3 + 440円×9 | 5,610円 |
差は3,190円。2年目以降はどちらも年5,280円(440円×12)になるので、キャンペーンの価値は「初年度の3,190円」と数えるのが正確です。「3ヵ月無料」の額面より小さく感じますが、これが実際に減る金額です。
一方、メイン回線側の削減が本体です。たとえばメイン回線を1段小さいプランに落として月500円下がるなら、それだけで年6,000円。2回線目の5,610円を引いても、初年度でプラスになるのは月500円以上メイン側が下がる場合、という計算になります。ここは自分の回線の料金表で埋めてください。
他社と比べるときの軸
同じ「番号なしの回線」でも、料金の作りが違います。
| IIJmio データeSIM | mineo シングルタイプ | povo2.0 | |
|---|---|---|---|
| 最小の月額 | 2ギガ 440円(ドコモ網) | 3ギガ 880円 | 基本料0円(容量は都度購入) |
| 初期費用 | 3,300円+220円(11/4まで1,650円) | 事務手数料3,300円+eSIMプロファイル発行料440円 | データ専用は契約時に初回トッピング購入が必要 |
| 注意点 | プラン変更で特典終了 | 容量を使い切ると最大200kbps | 0円のままだと最大128kbps。180日超の継続利用に条件あり |
povoは使わない月は0円にできる代わりに、有料トッピングを買わない状態が続くと利用継続に条件がかかります。「毎月コンスタントに使う」ならIIJmioやmineoの定額、「月によって使う量がバラつく」ならpovoの都度買い、という分け方です。
経費にするとき
仕事用のテザリングやタブレット用に契約するなら、法人の回線と携帯の記事で書いた個人名義+按分の話がそのまま当てはまります。2回線目のほうを仕事専用にしておくと、按分の説明が楽です。メイン回線は私用が混ざるので按分率の根拠が要りますが、テザリング専用の回線は用途がひとつです。
まとめ
- データeSIMは番号のない回線。メイン回線を残して通信量だけ足す使い方
- IIJmioのデータeSIMは2ギガで月440円(ドコモ網)。同容量の音声SIMより月410円安い
- 2026年11月4日までの申込は、2ギガが最大3ヵ月0円、初期費用が3,520円→1,650円
- 特典の価値は初年度の3,190円。プラン変更した月に消えるので、容量は最初に決める
- 本体はメイン回線を落とす額。月500円以上下がるなら、初年度から総額で減る
次に確認すること
- 自分の端末がeSIM対応か。ここで詰まると全部止まる
- メイン回線を1段落としたときの差額。契約中の会社の料金表で、いまのプランと1つ下の月額を並べる
- 申込期限。キャンペーンの受付は2026年11月4日まで。期限前に条件が変わることもあるので、申込直前にIIJmioのキャンペーンページを見る